2026/02/19
2月に入り、少しずつスギ花粉の症状が現れはじめた方もいらっしゃると思います。
当院でも毎年スギ花粉症により顔の荒れや皮膚炎で受診される方が多くいらっしゃいます。
2019年の環境省のデータでは、スギ花粉症の有病率は38.8%で、ほぼ3人に1人が花粉症と推定されています。
花粉症の具体的な症状は、目のかゆみ、流涙、鼻づまり、鼻のかゆみ、くしゃみ、鼻水、咳、喘息、皮膚の荒れ、口腔アレルギー(特定の果物や野菜などを食べると口の中がかゆくなる)など多岐に渡ります。
特に鼻づまりがあると、二次的に寝付けない、途中で目が覚める、眠っていても無呼吸が発生し、睡眠の問題が生じることもあります。 これらの症状は日常生活のQOLを低下させることはもちろんですが、お仕事をしている方に取っては、ものごとに集中できず仕事のパフォーマンスを低下させてしまうことにも繋がります。
パナソニック株式会社が2020年に行った「社会人の花粉症に対する調査」では、花粉症を患う社会人79.0%が、花粉症の症状が仕事のパフォーマンスに影響していると回答し、その経済損失は1日あたりで「約2,215億円」 にも達することがわかりました。
企業側から見た場合、このように従業員の体調が優れず、労働生産性が低下している状況を「プレゼンティーイズム」といい、花粉症はそのプレゼンティーイズムの代表的な疾患の一つとなっています。また欧米を中心とした研究でも、プレゼンティーイズによる企業の労働損失額は医療費や病気休業にかかる費用よりも大きいとされています。
花粉症の治療は、対症療法としての抗ヒスタミン薬の服用や舌下免疫療法(シダキュアなど)、既存の治療で効果が不十分な重症の方は、抗体医薬の皮下注射薬であるオマリズマブ(ゾレア)を使用する場合もあります。
抗ヒスタミン薬には、副作用として
➀日中の眠気、
➁インペアードパフォーマンス(気づきにくい能力低下:集中力・判断力・作業効率の低下)があります。
お薬の影響でかえってパフォーマンスを低下させてしまうこともあるため注意が必要ですが、最近のお薬は副作用が少なく安全に使用できるものも多くあります。
これから春先に向けて、スギ花粉症のある方にとっては、とても辛い時期になりますが、少しでも症状が緩和するように治療していく所存です。 個々の患者さんの症状を改善させることはもちろんですが、少しでもプレゼンティーイズムを改善させることで社会に貢献したいと思っています。